「神と人間の志向」(5)
† 人間志向の限界。
これは大空(宇宙)についてのことである。今や人間は月に、火星に場所を得ようと最新鋭のロケットを開発中である。それとは別に、宇宙の成り立ちについての知識は、人間の最大のミステリーとして全世界からの情報が報じられる。私達は宇宙成り立ちの結論が確立するのではないかと思っている。しかし、宇宙科学者の間に「タブー」(禁忌)とされる通念がある。それは、無からの物質の出現については不明という事だ。科学者が行き着く所は「物質が」存在する所からの解明である。無神論科学者のS・ホーキング博士も同じだったと聞く。人間の志向には限界があるという事だ。「初め(原初)に、神が天と地を創造した」創1・1)という、ありふれた表現が驚くべき神の志向なのである。神は「わたしは初めであり、また、終わりである」イザヤ48・12)このように自己啓示を持って現し「私は終わりのことを始めから告げ、まだ成されていないことを昔から告げ・・・・私の望むことを全て成し遂げる。と言う」イザヤ46・10)神の志向は、神自身を証明されることなのだ。主イエスは神の志向を現実に現されたのだ。
† 現代人の志向。
私達が現代人なのだ。歴史の最先端に生かされているのだが、私達は人間として進歩したのであろうか?科学や学問は多義にわたって進歩した、人間は相応に進歩したのか?20世紀の世界大戦の意味は、人間の叡智、人間の理性の絶望と崩壊だった。人間主導の世界が壊滅したのである。そして、神の主権と信仰が見直され「神の言葉の神学」が、世界で認められた。日本の教会も戦後に、多くの海外の宣教師によって、全地に宣教が成された。しかしながら、日本の主導的教会が新神学に命を損なわれ、日本宣教の低迷は今日までも続いている。1991年ソ連の崩壊後まもなく、2001年9月11日米国で同時多発テロ事件が起こる。21世紀の今、ウクライナ戦争、ハマスとイスラエルの戦争が続いている。現日本人は彼岸(来世の存在)を志向することなく此岸(現世主義)に執着する「・・・この世の神が不信者の思いをくらませて・・福音の光を輝かせないようにしているのです・・」2コリント4・4)日本人は、この世(栄華)を崇拝する。私達の証詞と宣教は、この日本人を見据えて、知性を訓練し巧みな戦略を持つべきである。